登場人物の紹介

神島彩(愛人) 林久子(看護師)

向井万里子(妻) 緒方恭一郎(医師)

向井武平(大病人)


向井武平(大病人)

オシャレな車と一軒家をもち、女性とたばこ、酒が大好き。自由奔放な初老の男性である。

 

 

有名な映画監督兼俳優で、今は、大掛かりな映画の撮影中。仕事は細かく熱心で、映画スタッフからは慕われている。

 

 

自宅では怠惰な夫。ちょっぴり薄情な愛人の彩がいて、感の鋭い妻の万里子とは離婚の危機にある。

 

 

これまで大病の経験はないが、吐血して精密検査を受けたら、深刻な状態だった。

 

 

ひどい胃潰瘍と説明を受けて手術が繰り返され、入院を余儀なくされる。もしかしたら、自分はガンではないかと疑い始め、しだいに疑心暗鬼となって、性格が荒廃してゆく。

 

 

ついには 爆発、自殺をはかるが、医師の緒方に助けられる。

 

 

緒方に真実を告げられ、うすうす感ずいていたとはいえ、激しく動揺する。

 

 

それでも、医師の緒方や看護師の久子、同じ階の患者などと対話を通して、無駄な延命治療ではなく、死ぬまでをどう生きるかを大切にしたいと強く望むようになる。

 

 

そして、人生の最終章をおもいっきり生きる。

 

向井万里子(武平の妻)

愛情深く、機転が利いて、感の鋭い美しい女性である。

 


お金のない若い頃に武平と結婚。夜店のおもちゃの結婚指輪は武平とつながっている大切な証。

 


浮気な武平に愛想をつかし、離婚して家を出るところだったが、吐血したこと聞くと、すぐに病院へ連れていく。大学時代の友人で有名外科医の緒方のところへ。

 

武平のガンが発覚し、人生の予定が狂う。

 

緒方から告知を受けて動揺しながら「あの人は告知に耐えられる人ではない」と、武平のことをおもって、緒方と一緒に胃潰瘍だと嘘をつくことにする。

 

 

しかし、告知しなかったことで、武平と溝ができ、武平を孤立させ、孤独が爆発して自殺させてしまう。

 

 

これ以上一人で苦しませることはできないと、告知の後は支えになって苦しみを分けあうと決心。緒方に告知を強く勧める。

 

 

武平に付き添う中で、別れの危機は何度かあったが、遂には武平との残りわずかな時間を大切にしたい気持ちへと変化していく。

緒方恭一郎(医師)

新聞に掲載されるような有名な外科医。

 

 

万里子の大学時代のサークル仲間で万里子に恋心を抱いていた。緒方とは対照的に無駄な発言はあまりしない。

 

 

医師として、治すことに信念を持ち、優先的に延命治療に取り組んでいる。

 

 

ガン患者の治療をやめて患者を死なすことを恐れている。治療しないことは病気にみすみす降参するみたいで嫌だと感じている。

 

 

武平には病院の方針で告知せずに、延命治療を続ける。

 

 

地位も名誉もあり社会的に信頼されているが、考えが凝り固まっているところもある。

 

 

武平や万里子、看護師の久子とつきあい、対話していく中で、その凝り固まった考えが次第に柔軟な考えに変わっていく懐の深いところもある。



林久子(看護師)

明るくとても頼りになるベテランの看護師。

 

 

武平のような浮ついた患者の対応に離れていて、軽快にかわしたり、大事なところではしっかりと受け止めたりして支えている。

 

 

病院や医師の方針には従順にこなす。時には看護師として痛みに苦しむ患者さんのために、医師の仕事の領域に口出すこともある。

 

 

彼女の痛みを取り除くモルヒネのカクテルは絶品のようだ。

神島彩(武平の愛人)

武平の撮影している映画のヒロイン役を演じ、武平の愛人でもある。

 

 

いつもおしゃれしな服を着て、真っ赤な口紅に赤いネイルや宝飾品を身にまとう美しい女性。武平とのホテルや病院での密会の時もけっこう目立っている。

 

 

ちょっぴり薄情なところもあるが、武平とは気心知れた親しい仲。

苫辺地ら映画スタッフ

映画撮影のプロ集団で、仕事仲間。武平の指示のもと手際よく進める。

 

 

武平の誕生日には、盛大にみんなで祝い、入院する時には、ゾロゾロと付き添って同部屋の患者さんへあいさつする。

 

 

再入院の際には個室を武平の好きな赤色仕様にして勇気づける。

 

 

時には愛人の彩との密会を演出する悪友でもある。