小澤竹俊『死を前にした人にあなたはなにができますか』(医学書院2017年)
死を前にした人に安易な励ましは通じません。医学はすべての病気を治せません。では、何をしたらよいのでしょう? 長年、緩和ケアに従事した医師の小澤さんが、患者さん・ご家族と向き合って学んだことは、『苦しみの中でも、幸せは見つかる』でした。
本書は、人生の最終段階を迎えた人と関わる援助者が、苦手意識を持たずに支援できる方法を提案しています。
エキスパート向けではありません。
苦しむ人に関わるすべての職種の人向けです。
難しい言葉はありません。
患者の家族にとっての指針であり、方法です。
本書では、苦しむ人への援助の具体的なアプローチについて、援助者が身につけるべき「5つの課題」が、紹介されています。
1. 援助的コミュニケーション
2. 相手の苦しみのキャッチ
3. 相手の支えのキャッチ
4. 相手の支えの強化
5. 自らの支えを知ること
5つの課題を図にしたのが次の図です。
また、本書で紹介されている下表を使えば、相手の苦しみと支えを項目に分けて整理できるようになっています。
さらに本書では、3つの事例をマンガで学ぶことができるようになっています。
上の図と表を使って、3つの事例を通して、学ぶことで、ぐっと理解が進みます。
医療従事者でもない、介護従事者ではない、僕がこの本を手にしたのは、2018年の12月。
それ以前、心室細動が連発したときがありました。
そろそろやばいかもと思ってからは、逃れられない死が目の前に現れました。恐怖を言葉にできず、誰にも言えず、孤独感に襲われたときがありました。
世界的にも症例数の少ない治療を受け、快方に向い、解決できないと思っていた苦しみが、解決できることになり、孤独感から開放されました。
ただ、次に来る恐怖に備えるためになにか学んでおきたいと思って、その治療の1年後にこの本を手にしたのです。
著者が理事をしているエンドオブライフ・ケア協会の講座で学ぶことができました。僕は、2018年の12月横浜で受講しました。
本書をより深く理解できることでしょう。
下に協会へのリンクを張っておきます。